当社が専門とするのが直径0.21mm~3.18mmの極細ワイヤーロープ。極細の素線を何本も撚り合わせたワイヤーロープは、その外観からは想像がつかないほどの強度や耐久性、柔軟性を備えています。この細物ワイヤーロープならではの特性と機能は、連結・操作・回転・駆動などの運動伝達でも重要な役割を果たしています。また被覆加工により、耐久性や平滑性をさらに向上させることが可能となります。
精密機器、計測器、自動化機械などにおいて小型化を図るには、機構の剛性が適正であることが重要です。
この設計条件で運動伝達の精度を保つには、小径のロープ構成で、剛性が必要で、伸びは小さくなくてはなりません。第1種剛性範囲が小さく、ばね定数が大きいほど伸びは小さく、良い特性といえます。このことはロープの精度を保証するもので、この特性を生かし、第2種剛性範囲で設計することが最適な使用法といえます。
当社では一般用・精密用・ベルト用など用途別に数多くのロープを開発し、それら全てに共通して豊かな特性を持たせています。
他方向への方向変換や繰返し曲げなどの運動伝達では、ロープに柔らかさ(可撓性)・耐曲げ疲労・耐磨耗性などが要求されます。それにはロープの構成のなかでも特に素線・ストランドの密着性、清浄性および表面被覆材質などに影響されます。
プーリ径はロープ素線径との兼ねあいで決まります。
D=プーリ径δ=ロープ構成の素線径としてD/δ=300~1000
ロープに被覆加工を施すことによって、耐久性・耐食性・表面の平滑性・含油の効果などが著しく向上し、ロープの特性を最大限に高めることができます。被覆の樹脂材料にはナイロン・ポリエチレン・塩ビ・フッ素系などがあります。なお、油含浸処理したものは摩滅効果に優れ、ロープの寿命をさらに延ばします。
撚り方向にはZ撚り(左撚り)とS撚り(右撚り)の2種があり、一般には「Z撚り」のワイヤーロープが使用されています。